人気野球漫画「ドカベン」ついに最終回! 思い出の名シーンは?
漫画家 水島新司の野球漫画「ドカベン」が、6月28日発売の週刊少年チャンピオン31号にて最終回を迎えました。
「ドカベン」は、1972年から「少年チャンピオン」で始まった長寿野球漫画で、影響を受けた漫画家も多いでしょう。実在の選手がキャラクターのニックネームで呼ばれたり、社会的影響も大きい、野球漫画のサザエさん的存在でした。
個人的にも思い入れは多いです。
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ちょっと待ちなさいよ。 なによ上の絵。
いやそりゃー、著作権的なアレで「そのもの」を使うわけにはいかないからね。
そうじゃないわよ。なんで私が岩鬼なのよって話。
しかし「ドカベン」もついに最終回かー。ってかすでに最終回は迎えてたよなあ。
誤魔化すな。覚えときなさいよ。 一度最終回を迎えたのは高校野球編ね。そのあとプロ野球編になって、スーパースターズ編になり、それが終わるってことらしいわね。 まあそれ以前に「大甲子園」なんていう「水島漫画」のキャラクター総出演のファンにとっては夢のような作品に「ドカベンキャラ」も出てたけど。
今度は「評論家編」にでもなるのかなあ。それともメジャー挑戦するやつ出てきたりして。
46年にもわたる長期連載(途中中断もありますが)を誇った「ドカベン」がついに完結。ただ連載当初はただの学園マンガだったんですよね。それが柔道マンガになり、野球が始まったのは単行本で7巻あたりから。
私も好きで単行本を集めて読んでました。まあプロ野球編からはさすがにもう興味なくして読んでませんが‥。高校野球漫画の金字塔としてこれからも語り継がれていくでしょうね。
サザエさんとかちびまる子ちゃんとかが国民的アニメとか言われてるけど、ドカベンも46年やってんだから十分国民的だよな。ただいかんせん野球に興味のない人にとっちゃどうでもいいからイマイチ浸透してないけど。
特に昔は日本人にとって野球はスポーツの王様だったからねー。今は他にも人気スポーツがたくさんあってそこまで野球が注目されてないから。
私も昔自分でも野球をやってた関係でとにかく野球漫画はドカベンに限らずほとんど読んでましたね。
「キャプテン翼」や「スラムダンク」など他のスポーツ漫画に人気を奪われてからも、自分はいつも野球派でした。
ただ、正直野球をやる前の方が「人情学園マンガ」として面白かったですね。野球編になってからはとにかく「野球」だけ。野球の勝負だけにこだわり、高校生としての「普通の日常」は一切省略。
中学時代あんなに仲が良く、柔道以外でも相談しあった仲である木下や賀間との再会も一切ノスタルジーを表現することなく、ただのライバルとして描いただけ。
ただそれは「あえて」そうしたのだろうと思います。水島さんの他の作品、「球道くん」では、「生活の問題」や旧友との再会を割とドラマチックに描いています。まあ「生き別れの母子」といういかにも70年代大映ドラマ的設定は、それでなくてもドラマチックが結末が予想される人情野球漫画の様相を呈しています。
あとは「あぶさん」や「野球狂の詩」などは、普段描かれないような裏方さんの話とかが出てきて、深い人間ドラマが繰り広げられます。
もともと水島新司さんはそういう人間ドラマを描くのが上手な人。「ドアホウ」と「貧乏」を描かせたら1,2を争うと言われた(私見)漫画家さんですからそういう話をたくさん描いています。
しかし「ドカベン」に限って言えば、そういう「余計なもの」を一切省き、ひたすら勝負に徹する漫画にするという決断をしたんだろうと思います。
語り継がれるライバルとの名勝負
ドカベンといえばやはり話を盛り上げたのは数々のライバルの存在ですね。
打倒山田を旗頭に次々と立ちはだかる強力なライバル・・少年漫画らしい展開と、水島さんの野球知識を駆使した奇想天外なストーリーに、当時野球少年でマンガ好きだった私はまさしく熱中していました。
個人的名勝負ベスト5
ここで私がグッと来た個人的名勝負ベスト5を上げていきます。好みで異論はあるでしょうがあくまで私見です。
高校一年の夏 甲子園大会決勝 対いわき東戦
初めて明訓高校が甲子園出場した夏の甲子園。、山田は5番キャッチャーで先発出場。
フォークボールを駆使した、いわき東の緒方投手との決勝戦です。
この大会は他にも坂田三吉や犬飼兄弟率いる土佐丸高校との対戦など見どころはあるのですが個人的にはこの決勝戦がいかにも高校野球らしいというか、この時はまだ打倒山田というより
お互いが勝てば初優勝ということで、優勝に向かって頑張る高校生の純粋さが描かれていて好きです。
特に相手のいわき東高校は、当時の世相というか炭鉱の町が時代の波に押されて町全体が活気を失っているのを、生徒たちの頑張りが勇気を与えていた、という設定、町を挙げて応援する姿に感情移入して大変でした。
こういう、相手に感情移入させて勝負を盛り上げるやり方は他の漫画でもよく見られますね。特に日本人はこういうのが好きです。あとがない相手を、それでも正々堂々と戦って倒す。
結局いわき東は負けるんですが、最後に握手して終わります。実にすがすがしさが残る決勝戦でした。
高校二年の夏 甲子園大会一回戦 対ブルートレイン学園高校戦
数あるライバルたちの中でも異色中の異色校と言われるブルートレイン(BT学園)高校。何しろ時代は民営化前の国鉄時代。
国鉄の業務のすべてを総合的に教育し電車のエリートを作る(笑)ために創設された学校だという。特にブルートレインという夜走る電車の運転に長けた人材育成が目的。
だから全員が視力が抜群で、足が速い。足が速いのが関係すんのかとツッコみたくなりますがまあそこは。
ライバルと言えば他の人たちは大体がピッチャーで、すごい才能持った連中ばかり。その相手一人に苦しめられる印象が強いですが、このBT学園はたいしてすごい奴が一人もいない。
まあピッチャーの隼がひょうひょうとしててるが実はすごい奴だったという設定はあるにしても、以前から評判がすごいわけでもなく、警戒もしてなかった。
したがって誰もがすぐに終わるだろうと思われた試合だったんですが‥。実はそれが彼らの作戦。
明訓を油断させ、夜が有利ということで照明がつくまでの間執拗な時間稼ぎを行い足を使ってかき回し。ライトがついてもその光を利用してボールを消すなど、奇想天外のストーリー展開。
強そうな選手もいなくて、全く注目もしてなかった高校の中で最も明訓を苦しめた高校でした。だれか一人のスターによる対決じゃなく、弱者が強者を倒すためにチーム一丸となる面白さが詰まった試合で、今でも好きですね。
高校一年 秋季大会 対横浜学院戦
ドカベンの中では、屈指の剛球投手、土門剛介との初対戦です。この土門剛介ですが、水島さんがドカベンを描く以前「別冊少年キング」に描いた「立花剛介」という主人公に似ています。というかそこから土門が生まれたのでしょう。
手塚治虫さんがかつて「スターシステム」というのを取り入れていたように、水島さんも過去のキャラクターを何度も他の漫画で違う人物として描いています。
「スターシステム」とは?
もともとは演劇、舞台などの興業ビジネス用語で、人気のある役者などを起用することで集客、宣伝などのプランを立てていくやり方のこと。
それを漫画の世界でも言うようになったのは、手塚治虫さんがマンガを描くときにそのマンガだけのキャラクターとして描くのではなく キャラクターを俳優に見立て、他の漫画に登場させるやり方をとっていたから。
もっとも水島さんの場合は同じキャラの場合もあればただ顔が似てるだけの場合もあり明確ではない。この傾向は昔の漫画家には多い気がする。量産が基本だった昭和の漫画家さんには、一人で考えるキャラクターのバリエーションには限界がありこういうやり方を取らざるを得なかったのではないかと思われる。
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さてドカベンに出てくる土門剛介は「誰よりも速く、重い球を投げる豪速球投手」として出演(笑)しています。
とにかく登場した時からいかに彼が速い球を投げ、すごい能力を持ったピッチャーかということを表現するのに時間を割きます。山田たちの一つ年上ですが夏の大会には出てきませんでした。交通事故にあって満身創痍だったからだそうです。
しかし彼は不屈の闘志で自力で治し(んなアホな)秋季大会には間に合わせてきたという設定です。実際体も大きく打ってはホームラン連発。監督も彼が復帰してきたら優勝間違いなしと自信たっぷりです。
しかし、そんな彼にも唯一の弱点がある‥。それは「彼の球をとれるキャッチャーがいない」(!)こと。これだけでいかにすごい球かわかりますね。
その球を捕るために横浜学院に転校するはずだった微笑三太郎が手違いで(?)明訓に入り途方に暮れていたところに、以前野球部だったがあまりの下手さにクビになっていた谷津吾郎と偶然出会い、その頑丈さに一目ぼれ。
口説いてキャッチャーとして育てます。
しかし捕ることはまだできないので土門が立てた作戦は、谷津にはその頑丈な体で球を受け止めるだけ。跳ね返ったボールを前進守備の一塁手と三塁手がカバーするというトンデモ作戦。外野へ飛ばすほど打てないという土門の自信からくる作戦でした。
この土門との闘いは「一点の重み」をとにかく強調して表現されます。一休一球の心理の変化など丁寧に描かれ、非常に面白い試合となっています。
この土門ともそのあとも対戦しますが、谷津の成長も見どころの一つです。明訓に敗れた後谷津は甲子園まで明訓ナインを追いかけ、山田の凄さの秘密を探ります。あんな大っぴらにスパイしていいのかと思いますが(笑)。谷津の素直でのんきなキャラクターが「まあいいか」という気にさせるのです。
そして次に対戦するときには見違えるほど成長し、土門の球も捕れるようになった谷津との白熱した試合も見ることができます。
高校二年 春のセンバツ 甲子園決勝戦 対土佐丸高校戦
明訓にとって全国区での最大のライバルと言えば高知代表の土佐丸高校でしょう。作者自身も熱が入るのか実にしっかり描いています。長男の犬飼小次郎との対戦は一年の夏で終わりましたが、打倒明訓を掲げる小次郎はその後も監督として甲子園にやってきます。
弟の武蔵、隻眼の左腕犬神との対戦は今見ても手に汗握ります。そして何と言ってもこの試合では、明訓の選手一人ひとりの過去のエピソードが語られ、キャラにさらなる深みを与えています。
山田の両親がいない理由、里中がアンダースローを覚えた理由、神奈川生まれの岩鬼が関西弁な理由、ピアニスト志望だった殿馬が野球を始めた理由‥。回想を交えながら感動的なエピソードが連発。
作者もノッていたのでしょう。一試合にものすごく時間をかけ、しっかりと内容の濃いストーリーとなっています。
高校二年の夏 神奈川県予選 対白新高校戦
全国区での最大のライバルが土佐丸なら、地区予選での最大のライバルはこの白新、不知火守でしょう。
野球編が始まった当初から天才投手として登場し、敗れても敗れても打倒山田に執念を燃やすその姿。破れた帽子から覗く瞳、片目が不自由だったが父親から角膜をもらって復活。
ニヒルなキャラでありながら明訓の甲子園出場が決まったあと、山田のために全国のピッチャーを分析し山田の練習相手を買って出るなど情に厚い面もある。
そして何と言っても不知火と言えばこのシーン。
ルールブックの盲点の1点
夏の甲子園・神奈川県予選大会三回戦の、主人公の山田太郎が所属する明訓高校と好投手・不知火守を擁する白新高校との試合で描かれた。
試合は0-0のまま延長戦に突入し10回表、明訓高校の攻撃。一死満塁で打者は微笑三太郎。
微笑はスクイズプレイを試みるが、投手前への小フライとなる。白新の投手・不知火がこれを飛びついて捕球し、微笑がアウト(二死)。
スタートを切っていた三塁走者・岩鬼正美はそのまま走り続け、リタッチしないまま本塁に滑り込む。
一塁走者の山田は大きく離塁しており、不知火は迷わず一塁へ送球。一塁手が一塁に触球し、山田がアウト(三死)。ダブルプレイが成立。このとき、岩鬼は本塁上にとどまっていた。
一塁上において第3アウトが宣告されたため、白新高校ナインは全員ベンチに引き上げた。岩鬼も明訓高校ベンチへ戻り、明訓に1点追加。
第2アウトは微笑、第3アウトは山田で、この一連のプレイで本塁上にいる岩鬼はアウトになっていない。一塁走者の山田の第3アウトはフォースアウトではないため、第3アウト成立以前に成立した得点は有効である。岩鬼は第3アウト成立前に本塁に到達しており、この走塁による得点は認められる[4]。ただし、岩鬼は三塁へのリタッチを行っていないため、白新高校側は第3アウト成立後であっても審判員に対して岩鬼の離塁が早かったことをアピールし、岩鬼をアピールアウトにして第3アウトの置き換えを行うことで岩鬼の得点を無効にすることができた。
岩鬼の得点が認められていることに気付かなかった白新高校ナインはアピールを行わず、野手全員がファウルラインを越えた時点でその権利を喪失した[注釈 3]。岩鬼の得点はそのまま認められ、明訓高校に1点が入った。
なお、試合はこの1点を守った明訓高校が1-0で勝利した。
野球を知ってる人でもなかなか良く理解できないルールによる得点は話題を呼び、ファンの間で伝説の試合となっています。
このシーンですが、マンガだけでなく現実の試合、1982年甲子園大会1回戦・東海大甲府高校(山梨)対境高校(鳥取)戦と、2008年夏の福岡予選で起こり、記録されています。このこともファンの間で話題になりました。
それだけでなく不知火は、打倒山田を実現させるための秘策として「ハエが止まるほどの超スローボール」を開発し、山田を翻弄しました。とにかくライバルの中でももっとも山田を倒すことに執念を燃やした男であり、そのイケメンぶりも相まってドカベンでも人気の高いキャラになりました。
マンガのシーンの再現と言えば他にも江川学院の中投手が、山田に対して前代未聞の5打席連続敬遠(うち一つは満塁)をしてブーイングを受けるシーンもありましたが、これも元巨人、そして元ヤンキースの松井秀喜さんが1992年の第74回甲子園大会2回戦で、明徳義塾のピッチャーから5打席連続敬遠などを受けて話題になりました。
あと高校時代は大阪の浪商、そして南海ホークスへ入団した香川さんが、その巨体から「ドカベン」とあだ名をつけられ、親しまれていました。
とにかくいろんなところで影響の大きかった野球漫画の金字塔。
まさかここまで続くとは作者本人も思ってなかったことでしょう。40代の頃は「ドカベン」を描きたくなかったとさえ語っています。しかし間違いなく作者にとっての出世作であり、野球漫画を語るとき、この作品を抜いて語ることはできないほど重要な作品であることは間違いありません。
これからどうなっていくのかはわかりませんが、ひとまずはお疲れ様でした。そして数々の思い出をありがとうございましたと言いたいです。
まとめ
サッカーマンガやバスケ漫画は、ほとんど1作だけが目立つ印象ですが当時は野球も人気スポーツでライバルが多かったにもかかわらずやはり水島さんの描く野球漫画がダントツの一番人気でした。
これで本当に終わりなのか、また別の形で何かが始まるのか・・。
でももういい加減終わりかな。あぶさんも終わったし もう作者本人も引退なのか それともまだ何か描き始めるのでしょうか。
この後の情報を待ちたいところです。
今回あんま出番無かったな・・。
作者が珍しくノッてたからね。てかだから説明しなさいよ。なんで私が岩鬼なの?
それについては異論はありません・・。
なに?
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