幸せってなんだっけ? 「何も起こらない」のは幸か不幸か?
「最近、何もいいことないなあ・・」「なにか刺激的なこと、起こらないかなあ・・」
と思うこと、人間なら誰しも思うことですね。
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何も起こらないのは幸せな証拠 とは言うけれど・・
あー、何かいいことと起こんないかなー。
何言ってんのよ。何も起こらないことは幸せなのよ。
いやいやいやそんなのきれいごとでしょ。何も起こらなきゃ人間幸せになれないよ。
まあそりゃあなたはそれを求めて田舎から出てきたんだもんね。
そうそう。田舎に居ると刺激的な東京ライフに憧れるわけよ。田舎には何もないもんね。東京へ行けば毎日が刺激的で、出会いにあふれて・・
で?刺激的なことあった?
特に・・ごくフツーの日常生活があっただけ。
みんなそんなもんよ。TVとかドラマの観すぎよ。
嘘だー!みんなきっと毎日刺激的なことがあってウハウハなのに、俺だけ何もないんだ、俺だけが不幸なんだー!クヤシー!ジェラシー!
毎日の生活が「当たり前」のように過ぎて行き、大した変化が起こらなくなると人はだんだん「こんなんでいいのかな・・何かいいことないかなあ」と、漠然とした望みを持ちます。人間には欲があって、刺激を求めます。
それ自体はいいんですが問題なのは「刺激のない人生はつまらない」という思い込みです。
「何も起こらない」ことがいかに幸せなことか。 「何も起こらない」ということは、病気にもならず、怪我もせず、社会人なら仕事があり、学生なら学校がある。それなりの収入があって、住むところがある。
食べ物にも困らない。 明日「死ぬかも知れない」という心配もない。ということ。 これを「幸せ」と言わずしてなんというのでしょう。
そりゃーわかってるけどさあ・・
何も起こらないのは幸せな証拠。 この心理に満足できないのは、自分がいかに他の人に対して恵まれてるかに気づけないから。
特に外国に比べれば日本は本当に恵まれています。しかし、余りにも当たり前すぎて、その幸せに気づくことができません。
当たり前に水があり、当たり前に学校があり、当たり前に食べ物がある。日本人にとっての「当たり前」が「当たり前」出ない人たちが世の中にはたくさんいる。
翻訳家の池田香代子氏とC・ダグラス・ラミスという人が書いた「世界が百人の村だったら」っていう本、知ってる?
その中にこんな一節があるわ。
これを見ると、日本人なら大体の人が当てはまるでしょ。いかに自分が世界の人に比べて恵まれているか。
よく思い知りなさい。喝!
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張本か。 いやそれは十分わかってるよ・。ある外国人評論家の言葉を借りれば、「日本人として生まれただけで勝ち組だ」そうだしね。
世界には恵まれない人がたくさんいる。病気の人、怪我で苦しんでる人も。 確かにそう考えれば、「何も起こらない」ってことがいかにすごいことか頭ではわかってるよ。
でもなんだろう、この漠然とした不満は。 俺だけじゃないと思うよ。実際先進国の中で日本は相変わらず自殺大国だし、こんな恵まれてるはずの日本で自殺が多いってことを、驚く外国人も、たくさんいるよね。
ああそれはまさしく 「格差の罠」って奴ね。
恵まれているはずの日本人が陥る「格差の罠」とは?
世界には貧困で喘いでいる国はたくさんあります。それに比べて、日本は先進国と呼ばれ世界の人が羨む生活が普通の人でもできる国の一つでもあります。
にも関わらず自殺者の数は相変わらず世界的に見ても多く、常にワーストで10以内に入る「自殺大国」でもあります。 なぜなんでしょう。 もちろん理由はいろいろあると思います。
外国なんかで多いのはアルコールや薬、貧困や失業等だそうで、、日本でもいじめやうつ、経済的な理由での自殺が主な原因とされています。
でも個人的に、日本での自殺、特に先進国で多い自殺の原因のひとつは「格差」にあると思います。
よく「となりの芝生は青い」って言うでしょ。 人は他者との比較で自分を保ってる部分もあるから、
自分の人生があまりうまくいってない時などに近くにいる人が幸せそうに見えると、、相対的に自分はそれより下、つまらない人生だと「劣等感」を抱いてしまうのよ。
それでも自由に動ける健康体があれば病気の人よりは幸せのはずなんだけど、それが見えない。
特に日本は先進国で、お金持ちもたくさんいる。だから自分の身近に自分が望んでも手に入らない幸せを掴んでる(ように見える)人がいると、その人と自分とを比べてその格差に愕然となり、絶望感を抱いてしまうのね。
確かに、明らかに今より貧乏だったはずの昭和の始めの頃の日本を、動画で見たことがあるけど、そっちの方がなんかみんな生き生きとして幸せそうなんだよね。
結局、貧乏は貧乏でも「みんなが貧乏」と「自分だけ貧乏」ではメンタルに違いが出て当然なのよね。
「世界幸福度ランキング2017」
2017年3月20日、国連が155カ国を対象に「世界幸福度ランキング」を発表しました。 「1人当たり実質国内総生産(GDP)」、「他者への寛容さ」 、「人生を選択する自由」、「汚職のない社会」などのデータをもとにランキング形式にしたもので
1位はノルウェー、2位デンマーク、3位アイスランドと、北欧の国々が上位ランクイン。 日本は51位。 いいんだか悪いんだか。まあ世界経済3位を誇る先進国としては「低い」と見るのが妥当でしょうか。
(ただしこのデータはそれぞれ項目があるわけでなく主観的なアンケートをその国の状況などを見て当てはまりそうな理由を提示しているだけだそうです)
引用 World Happiness Report 2017
その他にアメリカの世論調査会社が毎年行う「世界幸福調査」なるものがあり、今年は「フィジー」が一位に輝いたそうです。
フィジーは南太平洋オセアニアの国家で330の島からなる観光地として有名な国。しかしかと言って決して裕福な国とは言えません。そんな国が幸せ度一位なのです。
ただ、確かに便利さでは先進国にかないませんが 人と人とのつながりが深く、「島の住民みな家族」といった意識があるそうです。日本では沖縄のようなものでしょうか。
ここでも大事なのは、人と人とのつながり、いわゆるメンタル的な要素が強いということ。
戦後しばらくの日本も、周りみんな貧乏で格差などなく、助け合わないと生きていけない状況でしたが人間同士のつながりが強かったように思います。
結局「孤立」が「不幸なメンタル」を生む最大の原因なのかな。
そして孤立している人ほどTVやインターネットの情報に踊らされてしまう。
特にTVの中の人たちはほとんどが成功者だから、みんな華やかに見えるし、刺激的で幸せな生活をしてるように見える。そういう人と人と比べて、何もない自分に劣等感を感じ勝手に自分を不幸にしてしまうのね。
まとめ
よく、自殺の原因として病気などの他に経済状況、つまり貧困が挙げられる場合があります。
もちろんそれも一つの原因でしょうがこれからは「孤立」による自殺が最も多くなっていくのではないでしょうか。 貧乏であってもいわゆる「ホームレス」と呼ばれる方々でも何故か幸せそうな人とそうでない人がいるように思えます。
そこにもやはり「人とのつながりがあるかないか」が明暗を分ける鍵のようです。あとは今までは「普通の生活」をしていた人が貧困に陥ったときに感じる絶望感から死を選ぶ場合も・・。
人間はどうしても他者と比べて自分の位置を測り、メンタルを維持する生き物です。幸せそうな他者の存在が、世界的に見れば十分幸せな日本人に劣等感を植えつけ、普通の人生なのに「自分の人生はつまらない」と感じてしまうようです。
そんな時こそ「何も起こらないのは幸せな証拠」という真理に気づき、他人と比べるのではなく自分にとっての本当の幸せとはなんなのか、自分自身を見つめ直すいい機会なのかもしれませんね。